日本の債券市場は崩壊寸前、中国リスク再燃と円高のWパンチ

【目次】
✅ 岩本壮一郎コラム

✅ 本日のマーケット総括

✅ 米中貿易摩擦の影響と中国経済リスク

✅ファーウェイ規制で揺れる上海市場と為替

✅今日の相場格言

✅明日の注目銘柄案内

✅無料メルマガ・有料サービスのご案内

✅ AI・地政学リスク・資源政策を読み解く

✅ 明日の注目銘柄は?


【日本の債券市場は崩壊寸前】

日本の30年国債利回りが、ついに史上最高の3.15%にまで急上昇しました。長年「超低金利国家」とされてきた日本にとって、これは極めて異例の事態。数十年にわたって安定していた長期金利。その前提が今、音を立てて崩れ始めています。

「政府債務は国民の資産だ」と主張する声もありますが、そうした机上の空論では、足元で進む金利上昇を説明することはできません。

【バラマキ政治が日本国債の信頼を揺るがす】

この異常事態の背景には、選挙前になると繰り返される「財源なきばらまき政策」の乱発があります。金融や債券市場への理解が乏しい政治家たちが、票集めのために無責任な政策を掲げ、その結果、日本国債は国際的な信用を失い、価格は下落、利回りは急上昇しています。そして、こうした状況を受けて、石破首相はついに次のように述べました。

「状況は、もはやギリシャよりも悪い…」国家財政の健全性が危機的状況にあることを、総理自らが公式に認めた瞬間です。

【日本を取り巻く“トリプルリスク”】

いま日本は、次のような深刻なリスクに直面しています。

・高インフレ
・先行き不透明な金融政策
・対GDP比260%という世界最悪水準の政府債務

加えて、税収を上回る支出を続けることで、今後は国債の利払い金の急増が国家財政をさらに圧迫し、日本の持続可能性そのものが危ぶまれています。

【迫る「2025年問題」への備えはあるか】

そして、2025年問題がいよいよ現実味を帯びてきました。2025年には、団塊の世代すべてが75歳以上の後期高齢者となります。その影響は社会保障制度に重くのしかかり、次のような問題が起きます。

・医療・介護費の急増
・地域医療・福祉サービスのひっ迫
・現役世代への負担増加
・労働人口の減少による税収の減少

にもかかわらず、政治の議論ではこの問題を正面から取り上げる姿勢が見られません。

【地方自治体も崩壊リスクに直面】

問題は中央政府に限りません。地方自治体も、地方債の利回り上昇=借金コストの増加により、次のような波及を受けています。

・住民サービスの縮小
・公共インフラ整備の停滞
・自治体財政の破綻リスク

これまで以上に、地方行政にも金融知識と財政マネジメントが問われる時代に入ったのです。

【“耳障りの良い言葉”で片づける政治を見過ごさない】

「国債を出せばいい」
「借金じゃないから問題ない」

こうした“耳障りの良い言葉”で本質を曖昧にし、将来世代への責任を避ける発言が繰り返されています。しかし、それは今を生きる私たちの不安や現実に向き合っているとは言えません票のために真実を語らない政治家を、私は決して信用しません。

【政治は「2025年問題」にどう向き合うのか】

政治は今こそ、「2025年問題」にどう立ち向かうかを、具体的に・誠実に語る責任があります。そして私たち有権者も、「誰が何を語っているか」だけでなく、「何を語っていないか」にも目を向ける賢さが必要です。

選挙前の人気取り政策や減税アピールに惑わされず、もし減税を主張する候補がいれば、その財源をどう確保するのかをしっかりと問いましょう。

【将来にツケを残さない社会を】

・将来世代にツケを残さない
・社会保障制度を持続可能に保つ
・高齢者も若者も安心できる社会を築く

このビジョンを実現するには、制度と本気で向き合う覚悟を持った政治家の存在が不可欠です。

【私たちにできること】

では、私たちは何をすべきか?それは、身近な議員に「金融経済がわかる議員」がいるかをチェックすることです。

・自治体の借金の中身を見抜けるか?
・金融制度や地方債の年限ごとのリスクを説明できるか?
・持続可能な財政を守る議論ができるか?

【今、問われているのは「優しさ」ではない】

いまこの国に必要なのは、耳障りの良い言葉ではなく、「責任あるリアリズム」です。
市民一人ひとりが、冷静な目で、次世代に責任ある行動が大切と感じています。


株式会社アイリンクインベストメント
岩本壮一郎


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博多筋さん、今日の日経平均、なかなか厳しい下げでしたね。

そうだね。終値は37298円98銭、前日比で230円超の反落だ。
今日は、寄り直後から指数系ETFの売り助言で参戦したぞ!

寄り天井で株安を想定していたってことですね!
米株が下がった影響ですか?

それもあるが、決定打は円高進行と主力株の売りで、特に為替については今週大きなテーマなんだよね!

為替は1ドル=143円台でしたね。

143円57銭まで円高が進んだ。これは約2週間ぶりの円高水準だ。

X君:なぜ急に円高になったんですか?

その通り。関税が継続されれば日本の輸出産業に直撃する。市場はその行方を見今回の円高の背景は、いつもの「リスク回避のドル買い」とは逆の動きだ。きっかけは日米財務相会談を控えた警戒感だが、それだけじゃない。

どういうことですか?

これまでは地政学リスクが出るとドルが買われることが多かった。

でも今は、そうしたリスクオフ局面で円が買われている。つまり、「円が安全通貨」として見直されてきている兆しだ。ムーディーズの米国債の格下げが背景だ。

たしかにドルは以前より強くない印象です。

そう。ドルに対する信用がやや揺らぎ始めている。特に米財政の悪化や利下げ観測がある中で、相対的に円が選ばれているということだ。

凄くわかりやすいです!

特に最近は、トランプ政権の減税政策が財政赤字を膨らませるリスクが意識されている。

金利の動きはどうなんですか?

米金利は長期ゾーンでやや上昇してるが、短期では静観姿勢が続いている。結果として、ドルの金利優位が揺らいでいるんだ。

なるほど。円高は日本株にとってマイナスですよね。

「寄り付き天井、引け底」だな。朝の買い一巡後にじわじわ下げていった基本的にはそうだ。特に輸出株にはマイナスインパクトがある。

でも、円高の方が原材料輸入のコストは下がりますよね?

そう。ただ、それ以上に為替が企業業績に与える影響は、収益計上ベースで輸出の割合が大きい企業に出やすい。

じゃあ、143円って節目なんですか?

一部では142円を割り込めば次は140円、さらに130円という声も出ている。

そこまで行くんですか?

金それは政治の意向次第だ。実際、シティも「円高誘導が行われる」と見ているし、為替水準について何らかの合意があると考えてポジションを組んでいる気配がある。

それってポジショントークですか?

可能性はある。ただ、ファンダメンタルズも円高方向に傾きつつあるのは事実だ。

ドル安・円高トレンドって今後も続くと思いますか?

EPSの回しばらくは円高バイアスが残るだろう。特に日米協議や米中摩擦の内容次第では、加速する可能性もある。

為替の流れって、日銀の利上げにも関係しますよね?

もちろん。実は為替と金融政策は連動してる。

じゃあ、日銀は次の利上げをいつやると思いますか?

個人的には、10-12月期は難しいと見てる。政府が大型経済対策を打ち出してくる時期だからな。

景気を支える政策と利上げは逆行しますよね。

投資の基本はいつの時代も変わらない。格言にはその本質が詰まっていその通り。財政出動と金融引き締めはかみ合わない。だから日銀は様子見になるだろう。

でも、春闘の結果はよかったんですよね?

ああ、連合の賃上げ率は昨年を上回った。ただ、もう市場は次の2026年春闘を見ている段階だ。

となると、年内利上げは厳しいと?

政治日程や補正予算を考えると、10月以降の利上げはハードルが高い。

為替にも影響出ますか?

もちろん。日銀が動かないなら、為替の調整は政治が担うことになる。

たとえば、日米協議の場で?

なるほど。じゃあ、利上げも政治の思惑次第ですね。そうだ。ベセント財務長官が水面下で円高を求めてきたら、為替政策の調整圧力がかかる。

今回の第3回にベセント財務長官は参加しないが、月内に4回目の日米会談が仕込まれたようだからね!

なるほど。じゃあ、利上げも政治の思惑次第ですね。

まさにその通り。金融政策と通貨政策、両方が日米関係の中でバランスを取られている。

為替で思い出したんですが、シティが「円高誘導が起きる」って言ってましたよね?

あれは完全にポジショントーク臭い。過去にもドル円120円で為替合意を言い当てたことがある。

円高を見込んで先にポジション張ってると?

その可能性が高い。だが、実際に政治が動いているのも事実だから、あなどれない。

半導体セクターも今日は軟調でしたね。アドバンテストやルネサスも結構売られていました。

そうだね。特にルネサスは取引関係のある米ウルフスピードの破産準備報道が嫌気された。

ウルフスピードって、電気自動車向けのSiC半導体で注目されてましたよね?

ああ、パワー半導体関連の代表格だった。今回の報道は、信用不安が他社に波及するリスクを意識させたんだ。

なるほど。それで連想売りにつながったんですね。
需給ってどんな感じなんですか?

ここ数日で信用買い残が膨らんでる。含み損が広がると、強制ロスカットが出やすい。

やっぱり需給って侮れないですね。

テクニカルだけじゃなく、ニュースとポジションの絡みを見るのが重要だ。

勉強になります……!
博多筋さん、今日もいろいろ学びが多かったです!最後にいつもの格言、お願いできますか?

今日はこれだね!「相場は相場に聞け」

なるほど、あれこれ悩む前に、実際の値動きを素直に受け止めるべきってことですね。

その通り。理屈や希望的観測よりも、実態を見よ!だね!

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ところで、無料メルマガが届かなかったです!

次の発行は、金曜日17時のニコ生放送前に配信だ!楽しみにしててほしい!

はい!

本日もありがとうございました!